今月の一言

毎月1回、その時々のトピックスをお送りしています。

2012年6月

財産の大移動

 

この所、車を運転していると交差点で死亡した方の葬儀案内看板を見かけます。

1つだけの時もありますが、時には2つ3つと見かけたりすることもあり、亡くなる人が増えていると感じます。

先日、新聞を見ていると高齢者(65歳以上)の人が持っている金融資産は全人口の6割を占め、その金額は50兆円にもなるという試算がありました。

こんなに多くの資産が、死亡を原因として移動するのですから、金融機関が最近相続手続きを仕事として取り入れてくるのも分かる気がします。

さて、遺産分割協議書を作って相続手続きをしている中で相続人の方々の意思が変わったと思う動きが一つあります。

それは“不動産を相続したくない”と言う人が少しずつ増えてきています。

10年20年前なら、不動産は価格が上昇すると言うことがありましたので、当面のお金に困っていない人は将来の含み資産として、不動産を相続していました。

しかし、最近の一番人気は、「現金」「預貯金」です。不動産を持っていても価格は上がらないし、固定資産税ばかり増えるので“いらない”と言うのです。

先祖の人々が、一生懸命に残した不動産も現金には敵いません。

「現金」「預貯金」に人気がある半面1つ困ったことは分割する充分な財産があればいいのですが、農家などは不動産がほとんどで、「現金」「預貯金」が少ないため、少ない財産をめぐって相続争いが増えています。

 

これを防ぐ有効な手立てはあまりありませんが、1つあるとすればバランスのとれた資産を持つことと、やはり遺言を作ることだと思います。

 

『資産の大移動の時期を迎え、次の世代へのバトンタッチは手抜かりなく。』

これが今月の一言です。